第61章 ➖突然の…➖
その言葉に
ビクッと肩を震わせるアズール
その動きで確信へと変わり
そのまま話しを続ける
『あなたが認めた2人だからこその恐怖ね…。
確かに優秀ね…能力はどちらも申し分ない。
ジェイドは、時折アズールよりも冷静に
周りを見て、判断しているものね…。
フロイドは、発想力が特に凄いわよね…
アレは誰にも真似できない能力よ…。
まあ、2人共本気になれば寮長になる事もね…
それだけの力の持ち主よね2人共…フフッ…
それで私も奪われる!そう、怯えてるの?』
「はぁ…。そうですよ。
口が裂けてもアイツ達には言いませんがね
僕が選んだんです。優秀に決まってる。
サラの言う通りですよ…
だからこそ、僕と契約して下さい!
あなたに対価は望みませんから…」
いつもの自信に満ち溢れた彼ではなく
どこか弱気な…
昔のアズールが顔を出していた
『いつもの自信はどうしたのよ?
そんなんじゃココでは生き残れないでしょ』
顎をグイッと掴んで私の方を向かせる
『昔のあなたも大好きよ?可愛くてね。
だけどね…アズール、そんな弱音を…
私達以外にそんな顔見せたら…
契約書なんて破り捨てちゃうわよ?
それでもいいのなら契約しましょう。
私は、死ぬまであなたの隣を歩く覚悟よ!
アズール…私に離れてほしくないなら
そんな不安を抱かないでほしいわね…
他者に負けない力と自信を持って頂戴!
もっと強くなりなさい…』
父が教えてくれた言葉を
織り交ぜながら彼へと伝えた…
男も女も関係なく
相手を守れる強さと自信を持て
本気で愛する人と巡り合ったなら…
(”俺は全部を投げ捨てでも母さんとお前を
守り抜いてる…生半可なものじゃねーぞ”
なんて、言ってたなぁ。懐かしいわ…
それに…あの顔は……忘れられない…。
流石ココの卒業生よね……)
父の言葉と表情を思い出し
身震いしてしまったが
彼は考え込んでいた為
気付く事は無かった…