第50章 ➖秘密の魔法薬➖
『はーい。
さっき私が使っていたので…
ココに器材は揃っていますよ』
彼等を先程まで作業していた机へと案内する
テーブルには2組の器材と3つ並んだ椅子
『とりあえず…お手伝いする為に
私は真ん中に座りますね?
2人は両橋に座って…教科書を開いて下さい』
「「わかった/はい」」
テーブルを正面にし
右にカリム、左にシルバー、真ん中に私
その順で着席する
『はい。席に着きましたね…
それでは、教科書を開いて下さいね…』
2人は言われた通りに
”眠り薬”の調合方法のページを開く
私はそんな2人に
材料の説明や注意点などを
話していた…
「ハハッ…本当に授業みたいだな!」
ニカッと微笑み、どこか楽しげなカリム
なんの反応もないシルバーに目線を移すと…
「………ぐぅ…」
「『ね、寝てる!?』」
『シルバーらしいわね。シルバー!
起きないと…リリアちゃんの手料理
食べさせちゃうわよ?』
軽く肩を揺さぶり
途中耳元で囁いてみた
「はっ!…親父殿の料理!?
……?俺はまた眠っていたのか…」
「お!起きたな!」
『またってことは…
今日も何回か寝ちゃったのねシルバー。
”眠気覚まし”の魔法薬試したことあった?』
「あぁ…今日も何度か…。薬?ないハズだ…
俺の体質にその薬がどこまで効くか
わからないが…試せるものは試したい」
『あい、わかった。
それじゃ…お2人にお願いです。
植物園で宵闇草、月桂樹の実、雷鳴樹の葉、
鬼火の種、暁天草を採取してきて下さい。
”眠気覚まし”の方は私が準備しますので…
2人は戻ったら続きからしましょ?』
「よっしゃ!そうと決まれば善は急げだ!
行こうぜ!」
「親父殿の口調が…
わかった早速行って採ってこよう!」
(シルバーが居れば暁天草も集まるね。
きっとあの子達が助けてくれる)
そんな事を思いながら
パタパタと駆け出していく2人を見送り
新たに器材を揃え
粗方準備を終え
彼らの帰りを待っていた…