第47章 ➖溶かす準備➖
「あなたはそうやって…
誰にでも媚を売るんですね」
「アズール!貴方なんてことを!」
「それはオレも許せねぇな…アズール…」
『ハハッ…大丈夫だよ2人共…ね?』
アズールの発言に反応する
ジェイドとフロイドを宥める私…
『あの子達を追うんでしょ?
私は…大丈夫だから行って…ね?』
「はい/はぁい」
そう言って2人を送り出し
アズールとの会話が続く
「ハッ…そうやって2人を懐柔して…
それが何よりの証拠じゃありませんか」
『はぁ…このタコちゃんは…。
ねぇ、アズール…懐柔なんてしてないわよ?
ジェイドもフロイドも優しいだけよ?』
「は?彼らが優しい…?ご冗談を……
寝言は寝て言って下さいね?サラさん」
『ねぇ…なんでそんなに怒ってるの?
私の事はどうでもいい…この間のあなたは
私にそう、言ったじゃないの?』
「え?…確かに…。…そうですね。
僕は何故こんなに怒って…」
『関係ない…それも言っていたわね。
なら、あなたが言った通り
私に関わらなければいいわ…そうでしょ?』
「僕だって…あなたになんか関わりたくない
…関わりたくなんてありませんよ…。
でも、僕は……」
『!?…なんであなたが…そんな顔……。
はぁ…。これ以上話してても平行線ね。
キリがなさそう。ごきげんよう寮長』
そう言いその場を立ち去る私
彼自身気付いていたのか…
わからないが、泣きそうな表情をして
私を見つめていた…
まるで助けを乞う様な目で…
(アズールのあんな顔…あの時以来ね…。
胸が締め付けられて痛い…)
その後は…
平穏な1日であった
なんの味も
色も無い様な
つまらない日…
終了のチャイムが鳴る前に
身支度を済ませ
チャイムと同時に寮へと帰った
(リリアちゃんが帰ったら全て打ち明ける…)
そう心に誓い
心の整理をしつつ
就寝準備などをして
リリアの帰りを待つのだった…