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あなただけを…

第5章 ➖別れ…永遠の…➖(主人公視点)



今日から一週間程の休み…
どれだけ待ち遠しにしていた事か…
魔法の世界へ飛び立てる時間…

弾む気持ちを抑え
実家から離れ1人で住む家の片付けをしていく

『ふー…』

(ザッとこんなもんかなー?)

最終チェックをして周り一息ついた……


アップにしていた髪を下ろし
自然とゆるふわになった髪
そしてメイクした顔に魔法をかけ…
水の中でも崩れぬように施した

『ん〜…っ…』

と、伸びをして軽く柔軟体操…
海の中へ行く際はいつもこんな感じで
家の事、身支度、ストレッチを欠かさず行う
最終確認が済んだところで
私は衣服を全て取り払う…


『さぁて…準備も出来たし…』

父から受け継いだブレスレット型の
元マジカルペン…
魔法石の部分に優しく触れ
指を鳴らし彼の元へと旅立つ…


キラキラと光り輝くものが全身を包み
次に目を開けると…ソコは海の中…
それと同時に足はヒレに変化し
胸元は貝殻で覆われている…

(コレ便利だけど…
 陸に戻る時が大変なのよねぇ…)

と、思いつつも自由に息継ぎ無しで
泳げる魅力に勝るものは無く…
感覚を取り戻す為にクルクルと
周辺を泳ぎ回る…

もう何年も決まって来ている場所
私は彼が居そうな場所を数カ所泳いで
見て回った


『あっ!居た!アズール!!
 ただいま!!』

私は彼の姿を見つけるなり抱きついていた
最初は彼の反応が初々しく…
その反応を見るのが好きだった…
最近は抵抗力がついたのか
あまりそう言った表情を
見せてくれなくなったので…
ワザと顔に胸を押し付けてみるものの
思う様な反応が得られず
少し寂しい気持ちになっていた…

(今だけは私でドキドキしてほしかったな…)

まん丸くて泣き虫だった墨吐き坊やは…
努力を惜しまず
年々シャープな身体つきへと変わり
顔や体つきは
男らしくなってきたのを感じていた…

(いつかあなたが誰かと恋をしたら
 私は笑顔で祝福出来るのかな…?)
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