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あなただけを…

第36章 ➖テスト➖


=音楽室=

扉を開くとケイト先輩と…
寮の説明をしてくれた際に目にした
スカラビアの生徒が居た…

「おっ…リリアちゃんおっそーい…
 みんな集まって…て、サラちゃんじゃん
 おひさ〜…雰囲気ちょ〜いい感じになって…
 お兄さんと一緒に写メ撮ろーよ♪」

密着され写真を撮られる

『フフッ…リリアちゃんお兄さんだって』

「そうじゃな…今は我らピチピチだからのお」

2人で目配せをしそんな会話をしていた

「なんだ?2人の友達か?
 なら、オレの友達でもあるな?
 オレはスカラビアの寮長!
 カリム・アルアジームだ!はじめまして…
 だよな?」

『ふふ…はじめましてサラです
 よろしくお願いします。カリム先輩」

「あぁ!よろしくな!先輩なんて…
 カリムでいいぞ!」

まるで太陽の様な
明るく温かい笑顔
彼とはまた違う笑顔…

(あの子も昔は心から笑っていたのになぁ…)

カリムの笑顔を見て
彼を思い出し胸が痛んだ…

(昔のあの子に会いたいな……)

「サラ!また暗い顔をしとるぞ?
 ほら、顔を上げて…我らと楽しもうぞ?」

暗く沈みそうになった私の心と
そして、顔を上げて
そう口にするリリア

『一緒に?なにを?』

「サラは歌が好きであっただろう?
 わしらは演奏をするから…
 サラは好きにうたうんじゃ!
 皆もそれでよいかのお?」

「もちオッケー!サラちゃんの歌
 聞いてみたいし♪」

「オレは楽しければいいぞ!一緒に楽しもう」

楽しそうなみんなにつられ
様々な曲を歌った
主にアップテンポなものを数曲…

「サラちゃん意外とパワフルな歌声なんだ
 上手いし…軽音部入ろうよ〜」

『はは…楽器弾けないからなぁ…あ、それに
 声はパワフルなだけじゃないですよ?
 しっとり系でも…』

深呼吸をして歌い始める…
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