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あなただけを…

第33章 ➖家族の元へ➖


=ディアソムニア寮=


『あ!リリアちゃん…お疲れ様でした』

「うむ。サラも疲れたであろう…
 顔にそう書いてあるぞ?」

『そうだね…貴重な体験もしたし…
 はぁ…今回の件…あの子が絡んでたから』

「ん?アーシェングロットの事か?
 まぁ、レオナと2人で結託したところで
 我らは倒せぬよ…安心せい…な?」

ポンポンと頭を撫でられ
堰を切った様に感情が溢れ出す

また大切な人を失ってしまう…
そんな不安で押し潰されそうになっていたから

嗚咽を漏らしながら感情を吐き出す…

みっともない…汚らしい…

そう見えてしまうかもしれないが
そんな姿を見せられるのは彼等の前だから…
家族である彼等の前でしか見せれぬ姿


『っ…ふ…っ……っ…また…大切な人…
 居なくなる…のっ…かと思った…やだぁ…』

「よしよし…大丈夫…大丈夫…。
 さて、場所を移すかのお…
 わしの部屋に3人はちと狭いのぉ…
 お主の部屋で良いか?マレウスよ」

リリアのに抱き締められ
赤子をあやす様に優しく背を撫でる

流涕していた為か
マレウスの存在に気付けなかった…

「あぁ…ボクは構わないよ」

マレウスの声が聞こえ
無言で頷く私…

「なら移動するとしようかの…」

そう言ってリリアの魔法で場所を移す
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