第33章 ➖家族の元へ➖
「フフッ… サラ…貴方って…
子供の相手がお上手なんですね?
少々驚きました…」
『そう?まぁ、昔に色々あってね…
ねぇジェイド…なんでついて来てたの?』
「フフッ…やはりバレていましたか。
サラの意外な一面が見れたものですから
…つい跡を追ってしまいました」
『流石ね。双子して好奇心旺盛ですこと…
まぁ、いいわ。アズールから…寮長から
聞いてるだろうけど暫く寮には帰らないから
…あの子の事よろしくね…』
「本当に貴方はアズールの事ばかりで…
はぁ…わかりましたよ。
サラに言われなくても…
彼のサポートはしますよ。
まぁ、貴方からのお願いと言う事にするなら
…お約束の物に色を付けて下さいね?」
『まぁ、どちらでも構わないわ。
キクラゲの原木だったわね。後は…
珍しいキノコ…コレでどうかしら?
ホリデーに帰った時に手に入れてくるから』
「わかりました。それで手を打つとしましょう
ねぇサラ…お願いですから僕達の元へ
ちゃんと帰ってきて下さいね?」
『え?どうしたのジェイド…
貴方がそんな事言うだなんて…
変な物でも食べた?』
「茶化さないでください!僕は本気で!!
……いえ…なんでもありません。
今のは忘れて下さい。では、僕はコレで…」
『あ!ちょっと!!……ジェイド!
話しならいつでも聞くからね?』
振り返る事なく
そのまま立ち去っていくジェイド
(言いかけた彼の言葉…
なんとなくだけどわかっていた。
あの子はどうして…何に遠慮して…遠慮…
いや、もしかして…)
遠く小さくなっていく彼の背を見つめていて
とある事に気付いたが…
彼が話してくれるまで
気付かないフリをする事にした
(もしコレが当たっていたら…
ジェイド…君はいつか爆発しないかな?
私はそれが心配だよ……)
『それは私もか…ははっ…』
深呼吸をして気持ちを落ち着かせ
ディアソムニア寮へと向かう…