第32章 ➖大切なもの➖
保健室を出てから
何ヵ所か飛び回るも
見つけることが出来ずにいた…
(はぁ…こういう時に限って見つからないか)
湧き上がる感情と
見つけ出す事の出来ない自分に苛立ちが増す…
『チッ…はぁ…』
舌打ちをし
へたり込んでしまう…
そんな私を見つけ声を掛けられた
「あれぇ〜?サラじゃん…どーしたの?」
特徴的な喋り方と聞きなれた声が耳に入り
思わず顔を上げ、立ち上がる
『あ?なんだ…フロイドだけか…』
怒りのあまり不機嫌そうに返事を返す私
「え?…めっちゃくちゃ機嫌悪いじゃん…
なんなの?オレちょ〜傷付いたんだけど」
と、茶化す様な素振りをみせるフロイド
『ごめん。今そんな余裕なくて…あ!
フロイド!アズールの場所わかる?」
「えぇ〜…わかるけどさぁ…」
『今度良いものあげるから…教えて!』
「えぇ…物よりもサラがいいんだけど…
はぁ…仕方ねぇな…多分だけどぉ…
さっきの騒ぎで販売ブース見回ってる」
『さっきの騒ぎねぇ……ありがとう…』
フロイドにそう告げ
彼の言葉を待たずに魔法を発動する
−パチン−