第27章 ➖家族の形➖
=ディアソムニア寮・リリアの部屋=
ノックをする前にリリアちゃんの声がした
「サラか…よく来たな。
シルバーよご苦労であったな。
2人にしてくれるか?」
そう言われ一礼して去るシルバーに手を振り
そのままリリアの部屋へと入室する…
「サラよ…わしかマレウスに用とは?」
『やっぱり聞こえてたのね…実は……』
マレウスがサバナクロー寮に狙われている事
リドル先輩の作戦…
この2つを全て話した…
「ほお…我らが王マレウスを狙うとは…
よし、我らも一芝居打つとしようかのぉ」
『フフ…リリアちゃん悪い顔になってるよ?』
「そうかのお?気のせいじゃよ?
それよりも…… サラよ…
お主はどうして黒く染まっている?」
ブレスレットは普段見えない様になっていたが
彼にはソレがバレてしまう
この事を隠そうとした
私の気持ちですらきっと…
『リリアちゃんには隠せないよね…』
「わしを欺く事など出来ぬ!その事は…
お主がよくわかっておろう?」
『うん…色々教えてもらったものね…』
アズールと再開し
私との記憶が無い事など全てを話した…
今朝彼に言われた一言で
ブロット量が上がった事も伝えた
「アーシェングロットと知り合いだったのか…
それにしても… サラがのぉ…ほぉ…
愛いやつじゃのぉ…そうかそうか…」
凄く含みのある言い方をして
ニヤニヤと私を見てくるリリア
『はぁ…本当リリアちゃんには敵いません…
全部わかってるんだもんなぁ…
何を想って、何に悩んでるかなんて…』
「わかりやすいからのぉ…お主は…
黒ずんだソレも証明しとる…
認めるのが1番じゃよ」
『認めるね……はぁ…それが出来たらなぁ』
「存分に悩み答えを出すんじゃ。
青春というやつじゃな。若いのぉ…。うむ。
今のわしからの助言はココまでじゃ…
また…悩むことが在ればいつでも…」
『うん…ありがとうリリアちゃん』
リリアに飛び込み抱き付いた…