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*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第6章 和泉守兼定 優しい兄ではいられない・:*+.


江戸城の屋根から敵を見つけるのに時間はかからなかった。
おそらく相手は六振り。

狙いは何かしっかり見定めねぇと。
ん?あれは…?徳川家康の家臣と思われる一行が城の裏手門から出て行くのが見える。
すると敵が一気にそちらに意識を向け駆け出す。

くそっ!狙いはあっちか!
そっちにはいろはがいる!!
俺は急いで敵を追いかける。


その頃いろはは残りの負傷者を探すために城の裏手門の近くを歩いていた。
ふと背後からただならぬ悪寒を感じ、振り返り目を凝らすと、暗闇から時間遡行軍が現れる。

「っ!」
逃げなきゃ!そう思うのに足が動かない…
敵は躊躇なくいろはに斬りかかろうとする。
「兼さん…」
消え入りそうな声で名前を呼ぶ。


「いろはーっ!!」
その時、新撰組の羽織を纏った大きな背中がいろはの前に舞い降りた。

兼定は真剣必殺をくり出し、敵の二振りをまとめて撃退する。
しかし複数の敵が一気に攻めかけ、敵の一撃が兼定の右腕を切り裂く。
「兼さん!!」
「こんなんかすり傷だ!いろはは俺に隠れてろ!」
兼定は必死にいろはを背中に庇い、敵に斬りかかる。

「兼さん!私が邪魔になってる!守りながらじゃ戦えない!」
「大丈夫だ!心配すんな!いろはは俺が絶対守ってやる。」


とは言ったものの、これはやべぇな…
残りの敵は四振り。
っ…せめてこっちにもう一振りでもいれば…
「っ!」
腕の傷が痛み、苦痛に顔を歪めた。

「っ…待ってて兼さん!!すぐ戻るから!」
突然いろはが城の中に走っていく。

「いろは!!」
敵がいろはを追おうとするが必死に食い止める。

「あいつのところには絶対行かせない!!」
しかし容赦ない敵の攻撃で怯んだところを、背後にまわり込まれ、敵の一撃が兼定を切り裂こうとした瞬間。


「ドカン!!」

雷が落ちたかのような爆音がして、振り返ると一振りの刀が地面に刺さり、そこから目眩がするような眩い光が溢れる。
そして大量の桜吹雪が辺り一面に舞い始め、何者かが俺の横に並んだ。

「…っ!…誰だお前?」
「俺の名前は童子切安綱。俺を顕現させた女がお前を助けろと言った。女もお前もどうでもいいが、鬼狩りなら助太刀しよう。」
「よく分からねぇが…背中は任せた!!」
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