第2章 快楽と共に
俺は神崎俊哉。
都内の企業に務めるサラリーマンだ。
一応社内ではそれなりの役職にもついて、
部下を持つ人間だ。
「部長!今日の飲み会どうですか〜?」
昼下りのオフィス。
自分のデスクで仕事する俺に部下のOL達が声をかけてきた。
「あ、悪い。また今度な」
俺は愛想笑いをしながらありきたりな言葉を返す。
OL達はわかりましたぁと甘ったるい声を出しながら不満げにデスクを去っていく。
ーーどうも、苦手なんだよな。香水臭いのは。
それよりも仕事が終われば柚と外で夕飯を食べる約束をしている。
早く会いたい。
早く触りたい。
頭の中が柚だらけになって、
何度も腕時計を確認してしまい仕事に集中出来ない。
まさか自分の恋人が妹だなんて、世間的にマズイ事は重々承知の事。
しかし、本気で恋をしてしまったのだ。
幼い頃から一緒に暮らし、育ち、高校生になった柚は他の女性と比べ物にならないぐらい魅力的だ。
おっちょこちょいなところも、
泣き虫な所も、
甘えん坊な所も、
敏感すぎる体もだ。