【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第10章 ハッピーバースデー 黒尾鉄朗
『クロ、誕生日おめでとう』
「おめでとう」
十一月十七日は黒尾鉄朗の誕生日だ。バースデーケーキの隣には黒尾鉄朗の好物秋刀魚の塩焼きがあるという少し不思議というか何故今あるのだろうかと首をかしげずにはいられないのだが、#れいか#と孤爪からしたら毎年の恒例のようであまり不思議に思っていないようだ。
「ありがとな!」
嬉しそうに歯を見せながら笑う黒尾に孤爪と#れいか#は微笑む。はいどうぞ、と渡されたのは二人からのプレゼントのようだ。孤爪は黒尾に名前入りのキーホルダーをプレゼントしていて、友情ももっと深まったであろう。#れいか#は黒尾にTシャツをプレゼントしていた。黒尾は#れいか#から貰ったTシャツをその場で制服を脱ぎ着た。
『え、ここで着る?……まぁ似合ってるよ』
黒のベーシックなTシャツは黒尾によく似合っている。孤爪は何も言わず、見ているだけだった。
「マジ?俺服のセンスとか良くわかんねぇけどカッコイイな、これ」
「まぁ似合ってると思う」
「"思う"?」
『まぁまぁ。取り敢えずケーキ食べよう!チョコケーキだって』
既に切り後のあるチョコケーキホールを#れいか#は一切れ取り食べる。美味しそうに食べる#れいか#に続き、黒尾と孤爪は一緒に食べる。
『……あ、ふふ。研磨、頬っぺに付いてる』
頬にチョコクリームを付けた孤爪に#れいか#は自分の頬に指をさしながら指摘する。孤爪は恥ずかしそうに頬に手を近ずけるが、手を止めた。
「……#れいか#取って」
『は?…あー…はいはい。まったくしょうが無いなぁ』
ゆっくりと孤爪の頬に着いているクリームを人差し指で掬って口の中に入れる。自然とする行動に孤爪は顔を赤らめながら微笑んだ。
「……#れいか#、俺にも付いたから取って」
『いや自分で取っ……ちょっとクロ……』
前を向こうと首を動かしながら言い、その途中で#れいか#は言葉を止める。黒尾の頬両方にチョコクリームが大袈裟に付いていて流石の孤爪も引いたみたいだ。ゆっくりと視線を外し外を見ている。
『……はぁ……もう』
ティッシュで黒尾の頬を拭こうとすると、手を止められる。
『……』