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【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】

第7章 生きることに執着した私はそのことを初めて彼に否定された


#れいか#は朝6時丁度、パチリと目を覚ます。
白いふわふわとした布団を退かし、部屋を出る。そこら中に広がっている使用済みテッシュ。汚れのついたダンボールには黒い袋。床は傷がついていて、デコボコ。窓の前にある瓶は割れており、そこから彩り豊かな飴がこぼれ落ちている。電気は付いておらず、朝というのに太陽光が部屋に入ってこず全体的に暗い。荷が重く、何処からか異臭を漂わせるこの場所はまともに生活できるような場所ではなかった。

そんな時、後ろから腕が伸び、首に回れば優しく抱き締められる。

「おはよう#れいか#ちゃんっ?今日はよく寝れた?」

淡い紫色の珍しい髪色に、光のない曇っている水色の瞳。顔や体には絆創膏やガーゼが貼られていて、怪我だらけだ。

『叔母さん、毎回いきなり抱き着くのやめて』

冷たく首にある腕を退かし、#れいか#は叔母と呼んだものと対面する。
彼女は腕を退かされたことは少しも気にしていないようで、意図が分からない笑みを浮かべる。
彼女は#れいか#の叔母に値する人物。血が繋がっている事は確かだが、容姿や性格は全くといっては似ていない。

『叔母さん、話があるの』

いつもより真剣な表情をしながら叔母に話し掛ける。叔母は先程から同じような顔で、頷いた。


「……で、話ってどうしたの?#れいか#ちゃん」

椅子に座り、#れいか#は椅子に座らず、何処か見下ろすように叔母を見る。

『私、この家から出ていきたいの』

表情筋を動かしていないように、機械のように話す#れいか#に、叔母はふーん、と喉で相槌を打つ。

「……別に良いわよ、用意してあげる。でも、たまには叔母さんに顔を見せてね?大切な#れいか#ちゃんだもの、心配だわ」

"心配"の"し"もないような笑顔の表情で叔母は言う。笑みを浮かび、視線を変えず#れいか#の瞳の奥を見つめて誘惑に口角をあげる。

『そう』

無機質に返事を述べ、#れいか#は部屋に戻る。
叔母は未だ笑みを溶かさず、#れいか#の部屋を見つめ続けていた。


「ふふ、相変わらず可愛い顔ね。何も知らない子が仕掛けも知らない箱を開けようとして必死。……欲張りはぜーんぶ私が呑み込んであげるからね……」

口角を上げ続け、見ていて不安にさせるような雰囲気が漂う。玄関のドアが開き、その者は叔母の前に立つ。
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