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【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】

第5章 天真爛漫な君はあの日も笑っていたね


「俺も、もうすぐ卒業か~」

いつもと同じようにバレーをして、その後に息抜きとしてブランコを乗る孤爪と#れいか#。#れいか#の後ろから首に手を回し頭に顎を乗せている黒尾はそう呟く。

『もう直ぐだよね』
「卒業したら一緒に帰られなくなる」
「俺がいないからって独り占めするなよ!」
「……」
「おい!」

黒尾をうっとおしそうに顔を逸らす孤爪。
中学は近いものの、途中で通路が変わってしまう為前までのように一緒に登下校をすることができるのは難しいだろう。中学の場合、部活が始まるので下校の時間が多く変わる。そして、朝練も追加されたら登下校出くわす可能性は随分と下がる。

「はぁ……なんで俺達って全員学年違うんだろうなぁ~」

溜息を付きながら、学年に対して恨み始める黒尾に孤爪は静かに同感した。
勿論、黒尾と孤爪はずっと一緒に遊んでいるし、なるべく近くにいて遊びたい。そんな気持ちもあるが、何より二人が学年に対して益々恨む理由になるのは#れいか#ただ一人。
同じ学年であれば、隣の席で勉強できるかもしれないし、一緒に給食を食べれるかもしれないし、近距離で行事をできるかも知れない。遠足等の学校から離れる行事で一緒にいたらどれだけ楽しいことか。
楽しいけれど、頭の片隅には#れいか#がいる。思い出しては会いたいな、と思わせる好きな人パワーは本当に偉大なものだと思う。

『でも、みんな学年が違うのにこんなに仲がいいのは、特別だからかもね』

そう#れいか#は微笑み二人に言う。
"特別"その言葉に、二人は胸がじんと熱くなる。特別は誰もがなれるものではない。色んな人の中から自分が選ばれたという喜びに黒尾と孤爪は暖まる胸を抑えながられいかの目を見る。

今朝天気予報で雨は振らないと言われていたけれど、少し怪しい天気。いつもよりは少し暗くて、早く帰らなきゃと天気が急かしているようにも見える。

「そうだよな……俺達は特別だ!これからも、これからもずーっと一緒!約束な!#れいか#!研磨!」

天気にも負けじと大声を上げる黒尾に孤爪はブランコを足でギコギコと揺らす。

「……これからもずっと一緒なのは前もクロ言ってたじゃん」
『はは、確かに言ってたね』
「えっ⁉そうだったか⁉」
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