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【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】

第4章 偽物ではなかったと安堵した僕は本物を見極められなかった


アップルパイとは、砂糖煮にしたリンゴを詰めてオーブンで焼いたパイのことだよ、と説明すると、美味しそうだな、と想像した弧爪が心の中で思う。

それから、二人共キッチンに移動し、孤爪母が優しく教えていきながら二人は行動に移す。包丁は流石に弧爪母がすると言ったのだが、#れいか#は家で叔母と一緒にしているから大丈夫だと、ハラハラとした目で見られながら包丁を使いながら林檎を切った。包丁さばきはとても上手で丁寧。孤爪は素直に凄い、と声に出し、弧爪母もそれに同感していた。
この暖かい空気に、#れいか#は二人を一瞥した後、手元に目を移した。

オーブンで焼いている時間、孤爪は楽しそうに分かりやすくそわそわしだし、#れいか#はその間、弧爪母に色々と教えて頂きありがとうございます、とお礼をしていた。孤爪母は大丈夫よ、と笑いながら、将来お義母さんと呼んでくれるのを楽しみにしていた。

完成し、孤爪は一口食べると途端に目を光らせた。#れいか#も美味しいです、とパイが落ちるのを躊躇しながら丁寧に上品に食べていた。

「美味しかった……また食べたい」
「初めてとは思えないくらい上手だったね、二人。#れいか#ちゃんはいつも叔母さんとご飯を作ってるの?」
『いえ、大体は叔母さんが美味しいのを作ってくれます。……でも、たまに手伝いたくて、一緒に作ってるんです』
「だから包丁にも手慣れてたんだね。小学生にして凄いよ!」
『……ありがとうございます!嬉しいです』

ふわりと花を咲かせたように微笑む#れいか#を見て、孤爪は親のいる前にも関わらず#れいか#を抱き締めた。そんな孤爪に対し、孤爪母は、あらあら、と微笑んでいた。


***

『じゃあ、もう帰ります』

昼6時過ぎ、#れいか#はソファーから降りる。

「え……もう帰るの」

服の端を掴み、眉を潜める孤爪。毎度同じ反応に#れいか#も毎度同じような対応を取る。

『もう遅いから。また月曜日ね』
「明日は?明日は遊べる?」
『うーん……明日は……無理かな』
「……そう」

顔を俯かせ、いかにも残念オーラを放つ孤爪。#れいか#は優しく頭を撫でる。黒い髪がサラサラとしてて、軽く指で梳かす。
#れいか#は中々離してくれない孤爪を何とか説得し、孤爪母にお世話になりました、と礼儀よく挨拶してから家を出た。
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