第2章 私が貴方を好きになる迄の話。
「…………?」
その声に、私は_ハッ。として慌てて涙を拭った。
「………………な、なんで居るの!?」
「知らないのか?
ココの墓地は鬼殺隊の下っ端が順に…。
…あぁ、そっかは知らねぇよな。」
入隊して直ぐに悲鳴嶼さんの継子になった私は
確かにこの墓地を鬼殺隊の新人が清掃する事は
知らなかったが、今は自分の顔の方が問題だ。
「ははっ。…目、兎みたいだな。」
「…………う”ー、頃合が悪いよ。」
ほら、やっぱりバレた。
玄弥君は時たま本当に頃合が悪いと
私が口を尖らせていると、
それをクスクス笑った玄弥君が
墓石の方へと目を向けた。
「…の大切な人なのか?…ん?胡蝶?」
名前を見たら直ぐに分かるだろうから隠しはしない。
「しのぶのお姉ちゃんだよ。」
「胡蝶さんの姉ちゃん…か。」
「うん。カナエさんっていうの。」
そして、この素敵な人に
玄弥君を会わせたかったなと思う。
きっと真っ赤になるんだろうな。
「すっごく器量がいい人でさ。」
躾も何もされていなかった私に、
悲鳴嶼さんとカナエさんがかわりばんこで
沢山色々な事を教えてくれたんだ。