第6章 層
『ねぇ、周平。周平もオムライスの卵できるよね?』
「えっ、できるけどやらないよ。みんな穂波のが食べたいんじゃん」
『…その何言ってるの感なんなのさー。じゃあわたしのやってね周平』
「おー、穂波のならつくるワ」
『じゃあ、周平の最後に作るから、もう一個のフライパンで作ってね』
「ほーい。それ誰の?」
『そりゃあ、まずカズくんの』
クロ(傍目に見たらカップルだな…こいつら)
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あったかいうちにと
カズくん、研磨くん、クロさんとできた順に食べ始めてもらう
クロさんのはケチャップを入れずにバターライスみたいなのにして木の子餡掛けにした
周平に作ってもらったのを持って研磨くんの隣に座る
『研磨くん、やっぱりケチャップだったね』
「…穂波はホワイトソースなんだね」
『うん、食べてみる?』
「…ん」
スプーンに掬って研磨くんの口にいれる
「…あ、おいし。今度また作って」
『…ふふ』
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周平「一見隙ありって思っちゃいそうなんだけどね。全然、そんなことないっていう」
クロ「そうなんすよ。チャンスありそうなのはカズくんくらいで」
周平「これ、脈ありって思って玉砕するやつ多発しそ」
クロ「もう既に校内でじわじわとでてきてる」
周平「だよな〜」
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研磨くんがお皿を洗うのを手伝ってくれる
『…あ、巨峰。巨峰があったんだ。研磨くん食べる?』
「…うん」
お皿が片付いて、研磨くんには先に休んでもらう
みんな仲良くソファのあたりで寛いでる
意外とまとまりの良い4人。おもしろい
りんごもあったから、巨峰と一緒に机に持ってく
4人のバランスがおもしろいからそっとしておくことにして
階段を上がったとこにあるフリースペースへ行くことにした
ここからだと吹き抜けになってるので、ソファに座ってるみんなが見える
研磨くんはりんごをいっぱい食べてるみたい
ほんとに好きなんだナ
研磨くんとカズくんはゲームをしながら
4人でお話もしてるみたい。
彼氏と彼の幼なじみと
わたしの幼なじみと
わたしのスケボーの先生であり大事なお友達である小学生の男の子が
一緒に果物を突きながら過ごしてる。
幸せな光景。