第13章 やりたいこと 上
「先輩、大好き。
すごい、好き……」
手を伸ばしてギュッと抱きつくサクを抱きしめて、愛しさのままに頬に、おでこに、鼻に、耳に、顔じゅうにキスの雨を降らせると、サクがくすぐったそうに目を細めて笑う。
「言っとくけど、オレの方が好きだから。
オレは今日、サクと早く2人きりになりたくて、早くこうしたくて、ずっとイライラしてた」
「え!?」
恥ずかしくて、目を丸くしたサクから視線を逸らすと、いたずらっ子の目をして笑ったサクがオレの頬に触れる。
「先輩ってクールそうに見えて、意外と甘えん坊ですよね」
甘えん坊って……。
でも、愛おしげに見つめてくるサクに、なんだかどうでもよくなって唇に掠めるようなキスをする。
「こんな自分、自分でも知らなかったよ……。
全部、お前のせいだから。
オレをこんな独占欲のかたまりみたいにした責任とって……」
サクの首筋に唇をすべらせ服の中に手を忍び込ませると、サクがコクリと息を飲むのがわかる。
触れたサクの肌は滑らかで、柔らかい。
脇腹をつたい、柔らかな双丘を撫でる。
「っ、わたしだって、独占欲のかたまりです。
誰にも、先輩を渡したくない、です……。
だから、ずっとわたしだけ好きでいて、ください」
触れて刺激で途切れ途切れになりながらも、サクが熱っぽい瞳で言葉を紡ぐ。
自分の頬が、体が、熱を持つのがわかる。
ほんとにコイツは……。
一度服から手を抜き、ぐいっと脇の下に手を差し入れサクをベッドの上に座らせると、サクが「わっ!」とビックリして声を上げる。
それに構わず噛み付くように口付けると、サクの服を一気に脱がしてしまう。
自分も上の服を脱ぎ捨てると、下着だけになったサクをオレの膝を跨ぐように座らせ、抱き締めてもう一度キスをする。
隙間なく合わさった肌から、2人の体温が混ざり合っていく。
「サク、そんな煽って、どうなっても知らないよ……」
キスの合間、おでこを合わせて囁くと、サクが目を細めて笑う。
「望むところです」
2人で笑い合って、再び唇を合わせる。
暑い夏の夜、オレたちは幸せに浸りながら、思うままに熱い体を重ね合わせ、抱き合って眠りについた。