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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第30章 階級を示せ


部屋の中で二人になる善逸と光希。


光希は不死川とわかり会えたからか、ご機嫌で筆記具や紙の片付けをしてる。


「光希」

善逸が話しかける。


「いろいろ言いたいことあんだけど」

やや温度の低い声に、ここまでの一連の流れを思い出し、一転して光希は冷汗を垂らす。

あ、怒られるやつだ、これ。


「んー……、頭使いすぎて疲れたな。寝るわ」
「ちょい待て」
「おやすみ」
「こら」

ベッドに潜りこんだ光希の布団を剥がす。


「うわーん、ごめんなさい」

観念した光希は、ベッドで丸まったまま先に謝る。


「何に対してのごめんだ」
「喧嘩、したから」
「はい、そうですね」
「ううっ……」
「反省してるの?」
「してます!」

「まあでも……俺のせいもあるからな」
「違う!お前は何も悪くない!……俺と実弥さんが悪いんだ。ごめんなさい」

「前も喧嘩した口振りだったな」
「初対面でやらかした。その時は殴り合いの大喧嘩。ぼっこぼこにされた」

青ざめる善逸。


「まじかよ……」
「だって、義勇さんの悪口言うから。我慢したんだ、だいぶ。俺だって……」
「不死川さんと冨岡さん、仲悪いんだ」
「うん。もの凄く」

「とにかく喧嘩はすんな」
「お前を悪く言われたら、保証できない。でも……、出来るだけ気をつけます」
「極力、だ」

「……はい。善逸、止めてくれてありがとう」


前回の任務のときに、成長したなと思ったのに……
結局、子どものときから変わってない光希に、善逸は溜息をつく。



「話しはそれだけかな。じゃ俺はちょっと寝る、」
「終わると思うか?」

善逸がピシャリと遮る。


「お前が嫌がってるのって、何?」


最も触れられたくないところを、善逸が聞いてきた。


「…………」
「言えないの?それとも、言いたくないの?」
「どっちも、だ」


善逸はベッドの脇の椅子に座る。

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