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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第21章 隠れ家 1


翌朝、光希は目を覚まし、とりあえず顔を洗って善逸を起こしにいく。


部屋に行くとやはり善逸はまだ寝ていた。

もう少し寝かしてやろうかなとも思ったが、早く家を見に行きたいという気持ちもあり、どうしようかと考えていると、善逸が身じろぎした。

「ううーん……、光希…んふふ……」

善逸はまだ寝ている。ふにゃりと幸せそうな顔をしている。

「間抜けな顔……」

枕元に座った光希が呟くと「なんだと!この猪頭!」とぷんすかしている。寝てるときも声が聴こえるらしい善逸。

「はは、伊之助じゃねぇよ」
「じゃあ誰なのっ?あ、俺の可愛い禰豆子ちゃんかなー?うふふ」
「……そうでーす。お前の可愛い禰豆子だよ」
「やっぱりー。禰豆子ちゃーん、俺と結婚しよーっ!!でへへ」


「……よし、一緒に家を見に行くのはやめよう」


光希がそう呟いていて立ち上がると、善逸は一気に目が覚めた。
身体をガバッと起こす。寝起きがさほどよくない善逸にしては珍しい。危険を察知したようだ。

「はっ!!……え、俺。あれ?今……」

「おはよう、善逸」
「あれ、光希。お、はよう……」
「禰豆子じゃなくて、ごめんな」

「いや……、ちょい待って、俺、状況がよくわかんねえ、よ?」

「ちょうど朝の用事もなくなったことだし、ゆっくり寝てな。いい夢見とけ。俺は一人で家見てくるわ」


そう言って光希は客間を出ていった。


起きる前後の事を思い出していく善逸。次第に恐怖におののいていく。


やらかした。
やらかしましたよね、僕、今。
破談ですか?婚約破談ですか?まずいまずいまずい……


布団の上で正座する善逸。

必死に言い訳を考えるが、過去の経験上、ことごとく論破されることが目に見えている。


とりあえずのそりと起き上がり、着換えをする。
布団をたたみ、義勇から借りた着物もたたむ。顔を洗いたいが、どこで洗えばいいかも分からない。


しょんぼりしながら廊下に出ると隊服に着替えた光希が壁にもたれて待っていた。


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