第7章 油断
ロチュウ………って。
「車持ってないよ?」
『路駐ちゃう』
「火を焚くやつ?」
『それは炉中や』
「将軍の右腕」
『老中や』
「グミみたいなキャンディ」
『ハイチ○ウな、あれ旨いよな……ってやかましいわ!』
ボケて気を紛らそうとしたが無理だ、心当たりありすぎる。
だってついこの間のことじゃん、外でやったのなんてあの時以外したことねえもん!
正確には路チューではなくマンションチューだが。
一気に血の気が引いた。
バレた、バレてしまった。バレたのか?
何故??いつ?どこから??
『聞いてんのか?』
「あ、え、ちょっと電話切っていい?」
『なあ、SNSでイジってええ?相方の俺には権利あるよな?イジられずにはおられんわ。つか何?どういう状況なん酔ってたん?』
「ネタにしてくれた方が助かるけどイジるなら簓さんの許可取ってくれ……」
『まあそうやな。とりあえず無難な感じでアップしとくから、俺が無言やとそれはそれでアレやん?』
いい感じにしといてくれと龍太郎に頼み電話を切った。
筒井さんに電話する前にSNSやネットニュースを検索してみる。
写真が載っていた。
やはり自宅マンションでやったやつだ。
〝人気芸人白膠木簓と人気急上昇中の芸人のキスを激写!〟
〝事務所先輩後輩で夜のネタ合わせ〟
〝えーショック、白膠木簓好きだったのに〟
〝ヤバ、何やっとんねんコイツら〟
〝ネタだろ流石に芸人だし〟
〝芸人のキス撮るとか文秋暇かよ〟
〝、白膠木簓を使って話題作り〟
〝この二人漫才やってたよね?どんな目で漫才見たらいいの〟
〝これいつの写真?シャッパレ放送後を狙って温存してたのかな? 〟
うあああ……これは……。
言わんこっちゃない、だから止めといた方が良かったんだよ。
それにしてもどこから撮ったんだこの写真。
あの時誰も居なかったはず、遠くから取られていたのか?
気にもとめてなかったけど向かいに車が停まっていたな……まさか車内に居た?
簓さんに電話を掛けるも繋がらながらない。
どうすんだよー!簓さんのせいだかんなー!