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あなたの瞳に私が映るまで

第9章 意地っ張り


(えっと100%のジュースだと、コンビニまで行ったほうが確実だよね。よしっ寒いけど芹さんが飲みたいって言ってたし)

コンビニにつくと、林檎にするかオレンジにするか迷い2つとも買って、芹さんに選んでもらおうと脳内会議に決着をつけ、探偵社に急いで戻ろうとする。

ニャーニャー

小さなか細い声が聞こえ辺りを見渡す。
気になって公園に入り込むと木には2階位の高さの位置に一匹の猫が立ち尽くしニャーニャーと鳴いている。

ジュースを置いて
『今助けるからねーモフモフちゃーん』

(ここに足をかけて、ここに手を置いて)

『やれば出来るじゃん!私!モフモフちゃん今助けるからね』
手を差し出し抱っこをすると、猫ちゃんは安心した顔をしてゴロゴロと甘えてくる

『可愛ぃー!さぁ一緒に降りよ……
どーしよー!!手が……使えない!猫ちゃんは離せないし…ジャンプ?いや…高すぎる…どーしよー…太宰さんに電話?…』
独り言にしてはでかい声に冷静になっていく

(いや…今…芹さんときっと話してるはず、私だって一人で解決しなくちゃ!)

誰かいないかと見渡すと、公園の前の道を歩く男性の姿をみつける、葉っぱや枝が邪魔で顔は見えないが必死に声をかける

『すみませーん!すみません!』

歩いてた男は足を止め、こちらに向かって歩いてくる
木の下にたどり着いた男は顔を上げ女の位置を確認すると
「やっぱりか……」
男の顔を見てその言葉を聞いて、猫のモフモフしてる背中に顔をうめる

「醤油の次は猫抱えてんのか?ったく…手前はどんだけかくれんぼ好きなんだよ」

『中也さん…かくれんぼじゃなくて!
猫さん助けようとして木に登って猫を抱っこした所までは良かったんです……』

「抱っこしたら手が使えなくて降りれなくなった…」

『正解です!!凄い中也さんよく分かりましたね!』

「考えりゃ分かんだろ…ったくよぉ
ジッとしてろよ」
面倒くさそうな態度をとっても結局、重量操作を使って猫とありさ を木から下ろす
フワッと持ち上がり、地面が近づくと
中也さんにお姫様抱っこで
キャッチされた途端に猫は
ありさの胸から離れ走って逃げていった

『バイバーイ!猫ちゃん気をつけてねー』

「なぁにがバイバーイだ!手前も手前で気をつけろ!俺が通ってなかったらどうしてたんだ?何で誰にも電話しなかったんだよ!」
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