第5章 鯖と玉ねぎと蛞蝓
考えながらお店の外に出る。
「そういえば太宰さんっていつ寝てるんですか?」
『いつも私が眠るまでお話をしながら、頭を撫でて……』
(そっか…いつも太宰さん私が寝るまで起きててくれるから…朝起きるの辛いのかも…それならぐっすり眠れるパジャマだ!)
『敦くん!パジャマ!パジャマプレゼントしたいです!』
「そうですね。今携帯で調べたらパジャマのプレゼントには“身体を大事にしてね”との意味が込められるらしいですよ」
『そうなの?敦くん!太宰さんにぴったり!』
「いやっ…芥川を前にしても怯まないありさ さんにもぴったりです。お揃いにしたらどうですか?」
『あはは…あの時はご心配おかけしました…でもポートマフィアだって知らなかったし。
芥川さん凄い悪い人には見えなかったんだもん。それにお揃いは…いいよ…恥ずかしいもん…』
私達は、パジャマの売ってるお店を探し、敦くんには、僕が選んだら意味がありませんと言われて悩みに悩んだあげく。薄い水色でチェック柄のパジャマを選んだ。
『敦くん、今日はお付き合いしてくれて本当にありがとう!喜んでもらえたら良いなぁ…』
「きっと喜んでもらえますよ!」
『うん!ありがとう!私この後今日のお夕飯の材料買ってから帰るから、ここでバイバイで大丈夫です。いつも行ってるスーパーまで行けば帰りは迷わないから』
「そうですね!!もう迷子にならないでください!
”自分の身体を大事にしてくださいね“
はいっ!これ僕からの入社祝です。ありさ さんの事考えて選んだんで、受け取ってくださいね。」
『えっ?いつの間に買ってくれたの?
本当にありがとう!大切にします!』
「帰ったら開けてくださいね」
『はいっ!帰る楽しみが出来ました!また明日探偵社で、またね。敦くん』
「はい!また明日」
お互いに手を振って、私は、スーパーへ夕飯の献立を考えながら歩いていく。
(あっ、こんな所に酒屋さんがあるんだー。全然気が付かなかった。そういえば昔は、お友達とBARで蒸留酒を飲んでいたなんて言ってたっけ…)
私は酒屋の中に入り大きな棚を見渡し、蒸留酒って種類がとてつもなく沢山あること知り落ち込んでいた…