• テキストサイズ

あなたの瞳に私が映るまで

第4章 赤・青・黄で黒になる


ーーガチャーー
医務室のドアが開く

太宰はありさ が敦に膝枕をしている光景を眼の前にして、

「与謝野先生…これってどういう状況なの?」
「ああ、太宰来たのかい?敦がありさ に詫びをいれた証拠とでも言っておこうかな…」

〜〜〜〜三十分前〜〜〜〜〜

『では、敦くん!虎さんモフモフお願いします!』
笑顔で見つめられ敦は腹を括った。

『やっぱりフワフワでモフモフで可愛いし、動物園行っても虎さんは触れ合え無いから最高ですっ!敦くん生まれてきてくれて本当にありがとぉぉ!!』
喋りながらも、痛めていない手は止まることがない

敦くんはベッドの横の椅子に腰をかけたままありさ の太ももに頭を横向きに置いた。
「……ありさ さんこそ…僕が欲しい優しい言葉をなんの思惑もなく…言ってくれて…ありがとうございます」

『心から思っただけだよ。優しさって手作りで出来たてホヤホヤのモノを渡しちゃうから、偽善って思われたり、同情って感じ取られちゃったりするって事を今日芥川さんのおかげで学べたよ。でも、今の言葉は本当の気持ちです。
敦くんの笑顔も今日私を助けようと走ってきてくれた事もとっても感謝してます。ありがとう…』

敦くんの頭を撫でているとフワフワしてきて、だんだん眠くなってくる……

「……zzz………」
『……zzz………』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「じゃあ私も膝枕で甘えてみよう」
太宰が言いながら敦とは反対側に椅子を置いて、ありさ の空いてるスペースに頭をのせる。

「太宰…アンタこの子の事どう思ってるんだぃ?」
「与謝野先生どうって?どういう意味かな?」
「またそうやってはぐらかして…ありさ を泣かせたら、男の勲章切り刻んでやるからね」

言いながら与謝野は医務室を後にした。

「それは…怖いですねぇ」
太宰は、与謝野先生に言われた事を考えながら目を瞑った……


『んっ……あれ?太宰さん?
私寝ちゃって気が付かなかった……
どうしよう…足に感覚がない……』

男性の頭を片足ずつのっけられている為か、足が痺れすぎていて感覚が無い…

『太宰さん綺麗なお顔だな………
まぁ…いっか…
二人ともいつもありがとうございます。』

何かを得る時、人は痛みを伴うという事…それでも藻掻いて突き進もう…理想のために。
/ 79ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp