第4章 再会
かかしサイド
今日は朝から三代目より呼び出しがあった。
なぜか胸騒ぎではないが妙な違和感を感じる。
いつもどおり火影室へ行き、その扉を開ける。
…と、そこで見たものに息をのんだ。
「かかし」
「…すいれん…」
すいれんは、俺より2つ年上で小さいときからの仲間だった。俺が唯一認めていた仲間の一人…
いや…初めて好きになった人、初めて守りたいと思った人だった。
すいれんも同じ気持ちでいてくれた。
しかし戦争で親を亡くし、彼女の意志とは反対に別の里の親せきへ引き取られていった。
幼いころの恋愛といわれてしまえばそれまでだが、幼いときから戦争や生死を間近で見ていた俺たちにとっては、その思いは幼いながらも真剣だった。
生きていてくれればそれでいいと思い、ただただ任務に明け暮れていた日々。
でもオビトやリン、ミナト先生の死をさらに経験し、俺は深い闇にのまれ、すいれんのことすら考える余裕もなく忘れてしまっていた。
すいれんを見たと同時に、生きてくれていた喜びと、彼女のことを忘れていたことへの罪悪感が芽生えた。