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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第7章 微かな笑顔がよけいに苦しい




恋は焦らず。


そう幼馴染の洋平から言われても、恋とは苦しいものだ。
最近、部活以外でもよく話すようになった。
嬉しい事なんだけど、なんか、なんか………。


「、このあと時間あるか?」
「流川…。時間あるけど…、どうした?」
「1on1…。」
「やるのか?」
「(コクリ)」


1on1を受けて立つと、流川は少しだけ表情を崩す。
ほんの少しだけ、笑う気がする。
一瞬だけどな…。


表情が崩れるのは、バスケだけじゃないと
最近わかった。










「おい、流川ー。」
「む…。」
「おまえ、昼寝ばっかりだな。」
「ここ、気持ちー。」


そよそよと風の吹く屋上。
気持ちいいと言うより、少し汗ばむ。


眠っていると鋭い目線は伏せられて、かわいい寝顔が見られる。


笑う顔を見せてくれると言うことは、少しは心を開いてくれたと言うことかな…。
でもなんでかな…。
嬉しいんだけど、苦しいのは…。


「おい。」
「っ!」
「なに泣いてんだ、おめーは。」
「なっ、泣いてなんかねぇよっ!!」


わかったんだ。


気付いてほしくて、恋をした人のそばに寄って行っても
自分の思うように行かなくて、ほんの少し心を通わせても
涙が出るくらい苦しい。


恋って言うのは、嬉しいだけじゃない。
とても、とても苦しいんだ。


だけど、きっとこの恋から逃げたら後悔する。
だから逃げない。





「おいっ!流川っ!!」
「なんだよ。」
「覚悟しろよなっ!」
「は?」


恋は焦らず。


苦しいけど、絶対に逃げない。




















微かな笑顔がよけいに苦しい
だって、君が好きだから。




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