第68章 優しくしたいのに意地悪な気分
「ちょっと、流川ー。待ってってばー。」
今日は朝から雨。
だから、チャリは置いてきた。
「歩くの早いよー。」
歩いて帰る時は、それなりに歩調を合わせてやる。
普通の女より、コンパスは長いものの
こいつは歩くのがおせー。
「流川ってばー。」
でも今日は合わせてやる気分じゃねー。
が悪い。
オレ以外の男と話すから。
オレ以外の男に笑いかけるから。
「流川ー。今日、機嫌悪いねぇ。」
誰の所為だと思ってやがる。
「なんだよ。私が何かしたってのか?」
オレだって、優しくしたいとは思ってるが
それとこれとは話がベツだ。
「流川のイジワルー。」
優しくしたいのに意地悪な気分
「おめーの所為だ、どあほう。」