第47章 頷いてくれた、たったそれだけで
先に口を開いたのはオレだった。
「…悪かった。」
「………なんで…?」
「…泣いてんの、オレのせーだろ?」
「違うよ!流川のせいじゃない!!」
「じゃぁ、なんで、おめー泣いてんだ?」
「それは…っ。」
精一杯強がろうとするが痛々しく見たが、それよりも愛おしいと思った。
「そのほっぺたも、オレのせーだろーが。」
「………。」
とっさに左頬を隠したが、バレてんだ。
「もう、一人で泣かなくていい。」
「え…?」
「ちゃんと守るから、一人で泣くんじゃねー。」
「流川…?」
「おめーに泣かれると困る。だから、泣くな。」
きょとんとした顔。
さすがに涙ももう止まっていて、少し安心した。
「オレが守ってやる。もう、強がんな。」
言ってるそばから、また涙があふれてやがる。
もう泣くなって言っただろーが。
でも、頷いてくれた。
頷いてくれた、たったそれだけで
嬉しいと、素直に思った。