• テキストサイズ

オレンジ色の恋模様<流川楓>

第47章 頷いてくれた、たったそれだけで




先に口を開いたのはオレだった。


「…悪かった。」
「………なんで…?」
「…泣いてんの、オレのせーだろ?」
「違うよ!流川のせいじゃない!!」
「じゃぁ、なんで、おめー泣いてんだ?」
「それは…っ。」


精一杯強がろうとするが痛々しく見たが、それよりも愛おしいと思った。


「そのほっぺたも、オレのせーだろーが。」
「………。」


とっさに左頬を隠したが、バレてんだ。


「もう、一人で泣かなくていい。」
「え…?」
「ちゃんと守るから、一人で泣くんじゃねー。」
「流川…?」
「おめーに泣かれると困る。だから、泣くな。」


きょとんとした顔。
さすがに涙ももう止まっていて、少し安心した。


「オレが守ってやる。もう、強がんな。」


言ってるそばから、また涙があふれてやがる。
もう泣くなって言っただろーが。


でも、頷いてくれた。






































頷いてくれた、たったそれだけで
嬉しいと、素直に思った。




/ 103ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp