第4章 宝物
わざと置いていったのか解らないけど、春くんの大事な指輪がテーブルにポツンと置いてあったよ。
私忘れ物だと思ってLINEに写メ付きで送ったら
【それあげるよ。君に持ってて欲しいから。今日早めに終わりそうだから、何か買って行くわ。ちゃんと待ってろよ!】
って返事来たから、春くんが好きなワインを冷やして待ってたよ。
そしたら、チャイム鳴って丸ぶち眼鏡にキャップとマスク姿の春くんが待ってた。
ブカブカの指輪をはめて、春くんを出迎えたら、荷物で両手が塞がれた状態で、精一杯両手を広げて抱きしめてくれたね、、、。
【ただいま、疲れたー。腹減ったよー、なんか食う?】
それが日常だった、、、。私にとって当たり前の春くんとの半同棲生活だった、、、。
まだ春くんの荷物が私の部屋に残っているよ。
春くんの温もりを残したくて、いつでも帰って来れるように、ちゃんと洗濯して飾ってます。
ブカブカの指輪、サイズを変えられるなんて知らなかったから、とりあえず右手中指につけてます。
薬指はちゃんと空いてるよ。つけてたら嫉妬するでしょ?
嫉妬してた顔、凄く可愛いかったよ。
一生の宝物だよ。