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テンの条件

第3章 嘘の彼女


なんとか、かかし先生のお見合いは阻止した。

だが、火影様に彼女がいるという噂はまたたくまに広まった。私はほんっっとに無計画すぎた。
火影様の彼女となると、里中からも、里外からも大注目されるのだ。

かかし先生は文句なしの強さと経験、知識を備え、父親のさくもさんから大々的に名の知れた忍びだ。
マスクの下は犯罪レベルのイケメンというのに、マスクしててもかっこいい。

そんな人の彼女とささやかれるのが、この凡人である私なのだ。ザ!凡人!
たいへん申し訳ない!!
かかしファンのみなさんにも土下座してあやまるレベルである。

ナルトやさくら、その同期達からは、かかし先生のどこに惚れたんだ、変態だぞなど言われたが、そう言ってくれてるほうがよっぽど気が楽。

里内の女たちの視線が怖すぎて、時々身動きとれなくなった。

「あれが、火影様の彼女?」

「普通じゃない?むしろなんであの人なの?」

お使いをたのまれて、里内を歩いていると何やら聞こえる。視線もあちこちから感じる。
そう思うよね…普通。
あの人の隣にいたいって思う人、たくさんいるもんね。
それが、知性も名声も、美貌も富すらない私なのだから、納得はいかないだろう。
はぁっと大きくため息がでた。
これで本物の彼女ならまだ頑張れるかもしれない。
でも所詮わたしは……
嘘なんだぁぁー!!!!
と心で叫んでいたところ、シカマルにポンと肩をたたかれた。

「おまえも、なかなかめんどくせー役ひきうけたな」

「ん…やっぱ火影様ってほんとにすごいんだね。
私が、あの子たちの立場でも同じこと言っちゃうよ。
やっぱりうちみたいな凡人は、火影様の隣は似合わないんだ‥」

「んな、気にしすぎるな。仮にも嘘の彼女設定だろ?お前が落ち込んでどーするよ」

「…」

嘘か…ここに来たのは本物の彼女になるためなのに。

自分で自分の首をしめたんだ。

ただの大ばかやろうだ。

落ち込みながらシカマルと火影室へ帰った。

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