第13章 木の葉へ
テンと二人で時空間を越え、地に足をつけた。
「あれ…ここ‥ここって?」
書類がバラバラになって床に散乱している。
見覚えのある壁や机だ。
でもそこには無数の血痕もおちていた。
ドクっと心臓が跳ね上がり、全身に恐怖がひろがった。
「かかし先生!?シカマル??」
窓の外を見渡すと、大きな隕石のようなものが空に浮いており、その奥には同じく大きく真っ赤な月が見えた。
里の一部もくずれている。
「なに…これ…」
テンにも状況は読み込めていないようだった。
だが、何かが里を攻めているということはわかった。
物語を思い出そうとしたが、私にはその話の記憶がなかった。
「テン、かかし先生をさがして!」
そういってテンに居場所を突きとめてもらい、必死でその場にむかった。
「かかし先生!」
駆け寄る私にかかし先生は驚いていた。
シカマルもかけよってきた。
「りか!お前なんで!?」
「シカマル、いろいろあって話が長くなっちゃう。それより今どうなってるの?」
どうやら大筒木かぐやの子孫による月の破壊計画が実行され、ナルトたちが月に向かい敵と交戦中。
あの隕石もその敵の力による攻撃で、いつ降ってくるかわからないということだった。
かかし先生は、5影たちと通信しながら慌ただしくしていた。雷影が場合によってはナルト達もふくめ、月ごと撃ち落とすと言っているからだ。
なんとかそれは時間制限によって待ってもらっているが、この隕石もいつ里におちるかわからない。
私はかかし先生のもとに駆け寄った。
「先生…」
「りか…せっかく来てくれたのに、本当にすまない。
だが、もうすぐナルト達が決着をつけてくれるはずだ。
これが終われば、ゆっくり話せるからね。
今は、とりあえず俺から離れるな」
先生はどこまでも優しい。
私は、本当にこの人を守りたい、この人の守るものを一緒に守りたいと思い、拳を握りしめた。