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テンの条件

第12章 罪と苦悩・理解と許し


私は少しだけ間をおいて話し始めた。


「そうだね…
ただ単に彼がやってきたことを言葉で並べてしまえば、彼は忍びで、暗殺もしてきて、戦争にも参加していて…闇の部分はあるね。
でもさ、それが事実でも、任務だったからだとしても、それを楽しんでやってたわけじゃない。
ちゃんと彼は苦悩を抱えているよ。
それに彼自身の中でも、誰がなんと言おうと決して消えない罪だと思ってるとおもう…」

テンは黙っていた。

少し深く息を吐き出して、私は目線を上げた。

「でもさ、人の価値観ていろいろだと思う。
きっと理由はなんであれ、許せない人はなんであろうと許さないだろうし、今から私が言うことも綺麗ごとだっていう人もいると思う。

でも私は相手のほんの一部分だけ掘り下げるんじゃなくて、相手の苦悩とか後悔とか深い部分も理解して、その人の全体を見てさ。
その人がその過去からどう学んで、どう現状を未来を進んでいるのかが大事だと思う。

だからって、私も何かしら罪を抱えている人を全員許せるわけではないだろうけど…
かかし先生の過去を物語でしって、実際に会って彼の現状、未来への考えや思いを目の当たりにして、あーこの人にはほんとに幸せになってほしいなって思ったよ。
ま、私が幸せにしたかったってのが本心だけどね。へへ。」

「…そうか…」
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