第11章 テン
かかしサイド
ついつい考えすぎて、仕事が遅れていたがシカマルにこれ以上負担をかけるわけにもいかず、夜中をすぎたが一人作業を続けていた。
気配を感じて目線を上げると、そこに光の玉が突然あらわれた。
これは…
その光の玉はフカフカと浮きながら、テンだといった。
正直、自ら俺の元に姿を現すなんて、予想外だった。
バサバサと手元から書類がこぼれ落ちる。
なんで…ここに…
テンからの説明をきき、りかは生きていることが分かった、と同時にあと2か月の命であることも。
こんなことを平気でいっている奴の気が知れない。
俺は怒りをあらわにした。
「お前はどうして彼女の命を奪おうとする!?
りかは、お前を優しいといった。
でも、そのやっていることは優しさなのか?」
「かかし‥お前だけに見せてやるよ。俺の姿…」
そういったあと、光の玉から真っ黒なものが出て、人型となった。
姿で言えば20代くらいの若い男。
真っ黒な髪の毛に、漆黒の闇のような瞳に鋭い眼光。
血色のない肌は白く、より黒髪と闇のような瞳が強調されている。
全身は黒いフードを頭からかぶってはっきりよくわからない。
テンはいった。
「かかし。俺は死神だ」