第11章 テン
私はようやく動けるようになり、退院して自宅療養している。
残りどう生きるかも考えなきゃならないにも関わらず、結局かかし先生のことが気になっている。
ほんとにあれから丸くおさまったのかな
かかし先生とシカマルで仕事まわってるかな
また先生にお見合いきてるのかな…とか。
とりあえず、変に責任を感じてほしくない。
あぁ…死ぬ前に、もう一回会いたいな…
「ねぇテン…」
「なんだ?」
テンはあれから私のそばによくいてくれる。
「もし1年がやってきたら、私の命はテンのものになるわけで、死んじゃうんでしょ?
死んだらテンみたいに光になって、行きたいとこどこでも行けるのかな?」
「なんだ、どこ行きたいんだ?」
テンはため息をついて続けた。
「‥‥またあいつのとこか?」
「…だって…元気にしてるか‥気になって。
あの人、強いけどあー見えて優しすぎるから心は弱かったりするんだよ。私のことで責任感じてたら…私も死にきれないよ‥」
「あーぁお前もバカがつくほどのおひとよしだな…」
そう言われて、私は苦笑いするしかなかった。