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手のひらの虹 【恋人は公安刑事】津軽高臣編

第17章 新しい始まり《主人公目線》


津軽さんのバイクに乗せられて、初めて津軽さんと行った海に向かう。


津軽さんの背中にしがみついていると、津軽さんが、愛しくて、仕方ない気持ちが溢れてくる。


わたしは、津軽さんのお腹に回した腕で、ぎゅっと津軽さんを抱き締めた。







海に着くと、津軽さんはわたしの手を引いて砂浜まで歩いた。


「不思議だね」


「潰すつもりの君をここまで好きになるとかさ」


そう言って、津軽さんは立ち止まると、わたしの手を取って、わたしの手のひらに、金色に輝くネックレスをそっと乗せた。


「あ!」


津軽さんが、わたしの手のひらにそっと乗せたネックレスは、
あの夢に出て来たネックレスと全く同じネックレス。
可愛いウサギが、三日月の上にちょこんと乗った愛らしいペンダントトップのネックレス。


「このネックレス!!」


「気にいらない?」


「このネックレスと全く同じネックレスを昨日夢の中で津軽さんに貰ったんです」


「へー、ウサちゃんって予知夢見れるんだ。その予知夢捜査で活かしてよ」


わたしが、黙ってネックレスを見つめていると津軽さんが言った。


「ネックレスに穴が空く前に、付けてあげるよ。気に入ったよね?」


「はい!夢の中でも凄く嬉しかったので!」


津軽さんが、わたしの後ろに回った。
そして、ネックレスの冷たい感触が首にサラリと触れて、わたしの胸元にうさぎのネックレスが輝く。

前に周り込んで来た津軽さんが、わたしの胸元のうさぎのペンダントトップに指を伸ばして触れる。



「やっと、俺の物になった......」



津軽さんが、呟いた。


そして、わたしを引き寄せぎゅっと抱き締めた。




「瑠璃子、俺から離れんなよ。もう」



わたしも、津軽さんをぎゅっと抱き締める。




「絶対、離れるな」



「はい」



「ずっと、お前だけを、愛するからさ」



「はい」



「愛してます。津軽さん、離れませんって言って」



津軽さんが、甘える様な声で言った。わたしを抱き締めてる腕に力が入る。



(津軽さんが愛しい!)



「はい!津軽さん、愛してます!ずっと離れません!津軽さんが嫌だって言っても!」





津軽さんの顎が、わたしの肩の上に乗った.......。








「ありがと。ウサちゃん」
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