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手のひらの虹 【恋人は公安刑事】津軽高臣編

第3章 初めてのデートの約束 〈主人公目線〉


ノートパソコンの電源を落とすと、スマホに手を伸ばし、

『明日楽しみにしてます。でも無理しないで下さい』とだけ書いて、津軽さんにLINEを送信。
直ぐに既読になるかと思ってLINEの表示画面を見ていたけれども、既読が付かない。

何となく、モヤモヤしながら、帰り支度を初めていると、いつも通りの高過ぎるテンションで黒澤さんに話しかけられた。


「おや?瑠璃子さん、お早い帰り支度とは!?今日は恋人とデートですか?」


「ええっ!違いますよ.」


(デートは明日の予定なんです.....心の中で反芻してしまう)


「そうですね....デートの割には、瑠璃子さん浮かない顔をしてますもんね」

黒澤さんに、何処か痛い所を突かれて、誤魔化そうとあたふたしてると、


「おいおい、香月が困ってるだろ?おい、黒澤、お前暇ならこの書類交通課に届けて来てくれ」


後藤さんが、さり気なく助け船を出してくれた。


「ええー、透忙しいぃいい〜!」


相変わらずの高いテンションのまま後藤さんに首根っこを引っ張られ連行されてゆく黒澤さん。

すれ違い様、後藤さんが、わたしの頭にぽんっと左手を乗せて言った。


「明日公休だろ?気をつけて帰ってゆっくり休め。中々ここにいると休めないからな」


後藤さんは、ニヤっと微笑むと、黒澤さんを連れて自分のデスクへ戻って行った。

わたしは、後藤さんにぺこりと頭を下げると、デスクの上のバックを持って公安課ルームを後にした。


警視庁の廊下を歩いていると、前を歩いてる女の子達の声が聞こえて来た。


「え!津軽さんって彼女出来たんだ~残念〜」

「まあ、あんだけイケメンじゃあ女もほっとかないよね」

「凄い美人でモデルの様な女性と腕組んで、Aホテルに入って行くの交通課の子が何回も見てるんだって」

「そうなんだ〜」

一瞬、頭の中が真っ白になって、心臓がどくりと嫌な音を立てる。
でも、津軽さんが平気で浮気をする様な人ではないと信じたい。

多分、情報を引っ張る為のハニートラップの可能性が高い。
超イケメンの津軽さんはハニートラップに長けている。

捜査目的のハニートラップに目くじらなんて立てる気はない。
わたしだって、今後捜査目的でハニトラが避けれない事だってあるだろう。



(津軽さん、やっぱり会いたいです、凄く)
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