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【R18】ルームシェア〜お前のものは俺のモノ〜

第1章 憧れと現実


大学を卒業して、春からいよいよ社会人。
地元から離れた場所で就職も決まり、心にゆとりを持って卒業出来た。
ここまでは順調だったのだが。



「嘘でしょ……」



私の小さく漏れた声は周りの声に埋もれる。
この時期の不動産屋はかなり混みあっているのだ、仕方ない。
それにあんな情けない声、聞かれなくて良かったとも思う。
都会の賃貸って家賃高過ぎる。
想像してたよりもずっと高い。
こんなの毎月払ってたらとてもじゃないけど生活していけないよ!
皆どうやって生活してるの。
泣きそうな顔がお茶の水面に映る。



「うちではここが最安値ですね。
値下げ交渉したとしてもこの金額が限界で……」



担当さんが電卓を叩く。
ここで嘆いたって向こうの方も困るだけなのに……でも!こんなに高いと思わなかったし。



「……また来ます」



貰った物件の写真を少し乱雑に鞄に詰め、都会の喧騒に紛れた。
折角内定貰ったのに、辞退するしかないのかな。
中々に好条件で、自分の就きたかった仕事なのに。
この先どうしよう……。



「そんなとこに突っ立ってんな、邪魔」
「す、すみませ……千秋!」
「んだよ、邪魔」
「邪魔って、そんな言い方ないでしょう!?」
「邪魔だから邪魔って言ったんだろ。
何泣きそうな顔してんの、彼氏にフラれた?」
「……居ないし」
「あ、そうだったな。
ゴメンゴメン、お前が彼氏居る訳ないもんな」
「っ、もう良い!サイテー!」


千秋は私の幼馴染み。
小さい時からなんでも出来て、いつも私を馬鹿にして来る。
そりゃ私は千秋に比べたら勉強も運動もてんでダメだったけど。



「悪かったって、んな怒んなよ。面倒くせーな」
「面倒くさいなら話しかけなきゃ良いじゃない」
「そんな辛気臭い顔して、話しかけんなって方が無理だろ。
何があった」
「千秋には関係ない」
「関係ないなら話したって別に問題ないだろ?」
「あんたには一生分からないことだから」
「そんなのおまえが決めんな。
おら、ここだと邪魔になるからどっか別の場所行くぞ」



腕を引かれて、強引に歩かされる。
人混みが多くて、この手がなかったら一瞬ではぐれてしまいそうだ。
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