第1章 1~出会い~
キーンコーンカーンコーン…
「終わった~!」
授業終わりのチャイムが鳴りぐいーっと伸びをする。このワンダーランドに飛ばされてから約1ヶ月。中々慣れない。私は魔法が使えないし何にも出来ない役立たずだけどディア・クロウリー学園長から私には猛獣使いの才能があると言われた。最初は驚いたが最近では自分でも才能あるんじゃないかと思う様になって来た
「お疲れ監督生」
デュースがノートを片付けながら労わってくれる。正直とても有難かった
「有難うデュース、デュースもお疲れ様」
こっちもお返しとして労わってあげると授業終わりで疲れたのか力ない笑顔を見せた
「おいおいデュースお前何て顔してんだよ」
「ッ…な、何だエースか…ビックリさせるな」
ガシッとデュースと肩を組み授業終わりの私達にはとても眩しい笑顔を見せた
「あぁそういや監督生、お前学園長に呼ばれてたぞ?何かやらかしたのか~?」
「え!嘘学園長が?やらかしてないと思うんだけど…グリムの監督も行き届いてるし…」
エースが私に衝撃の一言を落とした。学園長に呼ばれる様な事は最近はしていない。グリムもしっかりと人様に迷惑掛けない様にしている
「速く行かないと益々怒りを買う事になるぞ?」
「それはやだ!しかもまだ怒ってるとは限らないし元の世界に帰る方法が見つかったかもしれない!」
「お前って凄いポジティブ思考だよなぁ…」
「エースが悪い方向に考えちゃうだけ!」
エースとデュースに思い思い言われながらも教室を出て行く
学園長室に着くと人影が見えた。どうやら先客が居るみたいだ
「こんにちは」
人影に近づき挨拶をするとその人はゆっくりこちらを振り返った
「あぁ、監督生じゃないか。こんにちは」
ハーツラビュル寮寮長のリドル・ローズハート寮長だもう1人は…
「監督生ちゃんこんにちは♪もしかしなくてもけー君に会いに来てくれた?」
「いえ学園長が私を呼んだので学園長室に来たんです。ケイト先輩には会いに来てません」
「え~、監督生ちゃん釣れないな~」
もう1人はリドル寮長と同じくハーツラビュル寮のケイト・ダイヤモンド先輩だ。ケイト先輩はマジカメと言う物が大好きらしく良く弄っている。私もスマホを持っているが元いた世界の物と全く違くて手こずっている
「所でお2人は何故学園長室へ?」