第10章 10
私は悩んでいた。
香蓮さんを失いたくない。
それは私の意志でもある。
でもその方法がない。
長門のやった輪廻転生術は、私は輪廻眼をもっていない。
じゃあチヨ婆がやった術なら、頑張ればできるんじゃないかなんて考えだした。
いや、そもそもチャクラをねったことがない、もしくはないかもしれないうちにできる術ではないかもしれない。
それにあれも禁術で砂隠れの里で厳重に保管されている。
風影にとりいっても無理だろう。
盗むのも無理。
むしろ木の葉と砂の関係も悪くなる。
まったくもってお手上げなのだ。
やはり、このまま運命を受け入れるしかないのか…
今になって、なんで自分は何も能力がないのかむなしくなる。
最悪里の手練れほどの腕があれば、力ずくで砂から禁術の巻物を手に入れて、術を施して死ねば、かかし先生と香蓮さんは一緒にいられる。
うちはもともとこの世界の住人でもない。
禁術をつかって死ぬなら、砂としても問題ない。
最悪、火影の最愛の人を救うための身勝手な行動だったと遺書でも残せば、里同士の争いにもならないだろう。
あーしかし、その巻物を手に入れて、使いこなせる力という力がなんにもないっ!!!
大きくため息をついて机に伏せた。
それをみたシカマルが
「おめーまためんどくせーこと考えてるんじゃねーだろーな?」
といった。
「その通りや。うちはめんどくせーこと考えちゃうの。
でも結局そのめんどくせーことを実現できる可能性も結局はないの」
「じゃ考えるなよ」
「ごもっともな意見やな」