第7章 7
次の日、香蓮さんの体調もよかったので、準備を整え中庭に車椅子でむかった。
中庭にあるたくさんの花と香蓮さんを重ねてみると、女の私でもため息がでる。
しばらく雑談をしているといつも通りかかし先生がやってきた。
「えま、ありがとう」
そういつもの合図とともに、うなずいて私はその場を去る。
院内へ入ろうとドアを開けるとき、香蓮さんのバカでかい笑い声がうしろから聞こえてきた。
「ちょっと香蓮さん!わたしの年齢、かかし先生にゆったでしょー!?」
「ぎゃはは!ばれた!?だってこれどんなドッキリよりおもしろいんだもん~!」
案の定かかし先生の目は、驚きのまなざしで私をみている。
「もー!香蓮さん。今日せっかくもってきたカステラあげませんからねー!」
プン!として院内にはいろうとすると
「あーもうごめんごめん。えま大好きー怒んない怒んない!」
なーんて言われてしまった。
うちの好きな人の彼女は、いつのまにか…うちにとっても大切な人になってしまっていた。