第2章 最悪な彼奴ら
聖臣side
稲荷崎との合同合宿なんて正直どうでもいい。
春高やIHに出ている常連校と練習は、チームメイトにとっていい刺激になる。
けど、それはそれ!
それよりも、そこじゃない。
沙耶を兵庫に連れて行くことを宮兄弟が、知っている事。
「乗り気ってなんだ?
お前らと合同合宿をやるのは、別に問題はない。
俺は、その事に不満があるわけじゃない」
「じゃ、何が気に入らん?納得いかないって顔しとるで?」
疑問をぶつけてくる宮侑に、イライラしてくる。
納得?当たり前の事を聞くな。
頭湧いてるんじゃないのか?
南條先生も宮兄弟もそうだが、沙耶の気持ちも意志もない状況でどう連れて帰る?
沙耶は、俺達がいればいい。
叔母さんもそれが、一番だって理解してくれるに違いない。
「納得?俺よりも沙耶の気持ちが最優先だ。
帰郷してたとはいえ、土地勘もなく一人で行かせていいわけじゃない。
寂しい思いも辛い思いもさせたくはないからな」
「ふ〜ん、じゃ沙耶が納得すればいいやんなぁ。
簡単な事や沙耶は、俺達の高校に来れば話しが早い。
沙耶の性格なら、友達もすぐ出来るやろうから心配せぇへんでえぇで」
ニコニコした宮侑の顔裏には、何とも言えぬ雰囲気が出ていた。
それを払拭する様に、元也が沙耶の顔見て微笑んだ。
「心配?するに決まってるじゃん。
沙耶は、あぁ見えて繊細だし打たれ弱いとこあるんだけどね。
家庭環境の性もあるけど、あんまり寂しいとか辛いとか人に言わないタイプ。
寧ろ隠してるのバレバレだけど、気づいてないフリして影で支えてやるのが俺達の役目って事。
だからさぁ〜不安にさせるって分かってて冗談でも行かせるわけないでしょう?」
アレは、元也もキレかかっている。
初めは、いつものように人懐っこいそぶりを見せてる割には、最後の言葉は怒ってるな。
「冗談?笑えんわ、俺達がおるのに不安なんてさせへん。
辛い事よりめっちゃ楽しい事させたるから、別に沙耶に構わんでもえぇねんで」
宮侑から笑っているようで笑ってない顔で、俺達に向かう視線は少しバカにされたようで不愉快でしかない。