第2章 最悪な彼奴ら
聖臣side
「お前さぁ、顔に出てるよ、ウザいって。
まぁ、いきなり言われてもって感じなんだろうけど。
俺もお前と同じで高校の時、バレーやってたんだ。
和臣ーお前の親もバレーやってたの知っているだろう?
稲荷崎は俺の母校、そんで井闥山学院はお前の父親の母校だよな。
頭のいいお前なら、何となく察しがつくだろう?」
楽しんでいるのか、揶揄われているのかどちらにしても気分が悪い。
「あんた、父さんと知り合い?」
「和臣とは、高校の時はバレーではライバルだったけど、大学で一緒になってから今でも親友だよ」
「あんたと父さんとじゃ、性格が合わないじゃない?
それに、父さんと性格が真逆じゃん」
父さんは、俺と性格が似ているー
臨床試験など医学の研究員になった父は、決めた事は最後までやり通す主義で真面目な人でもあり、とても優しい穏やかな人だ。
だから、コイツとなんて絶対合わない。
人を馬鹿にして一歩先周りした物言いに、思いつきで行動するタイプに見えるせいで、凄くチャラチャラした印象を受ける。
「確かにそれ言える。
でも、目指している事は一緒だからなぁ、以外に合うんだよ」
「ふ〜ん、でっ父さんと何企んでいる?
いきなり稲荷崎と合宿なんてあり得ないんだけど?」
「さっきも言ったが、大人の事情って言ってもガキのお前らには興味がないかもしれないけど。
沙耶が、目覚めた時に絶対必要だからなぁ」
「ハァ?意味がわからない、なんで稲荷崎なん…」
昔からの癖が出る。
完全に考えモード…沙耶曰く気分は名探偵 シャーロック・ホームズって言われる。
そんな事より、稲荷崎…沙耶の母親の母校だったはず…南條先生と父さんは同級生、つまり叔母さんと先生は同級生だった?
さっきあの男から言われた一言も引っかかるー『沙耶が、目覚めた時に絶対必要だからなぁ』と、目覚めた時…沙耶に何が必要?
「沙耶に必要って何?」
「必要?あぁ、俺は今のところフリーランスでやっているけど、近々兵庫にある姉妹病院に赴任することになっている。
だから、俺の担当患者である遙と沙耶をここにいさせるわけにはいかない」
不可解!この状況で沙耶を連れて行くなんてバカげてるとかしか言いようがない。