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月の上の存在

第1章 出会い


〜出雲 空〜
なんでみんな私をほっといてくれないんだろう。
騒がれるのも、見られるのも、好意を持たれるのも、好きじゃないのに。
見た目?成績?
‥‥どっちも努力して勝ち取ったものではない。見た目を良く見せようなんて思ってないし、成績も授業を聞いてるだけ。
ただ普通にしているだけなのに、人に注目されてしまう。
これを嬉しいと感じる人もいるかもしれないが、少なくとも私は違う。
もうほっといてほしい。またあの頃と同じ思いなんてしたくない。だから、今度は私から周りと距離を置く。どうせ離れていくなら、最初から近かない方がいい。これ以上辛い思いをしたくない。
これが私の本音。

昼休み、お弁当を片手に廊下に、張り出された定期テストの順位を見つめて私は思う。
1番上。他の名前と離された孤立している''出雲 空" 私の名前。
この名前みたいに1人でいたい。
けど、、

〜周囲〜
「また出雲さんが、1位かぁ」「中学からずっとじゃん」「名前通り雲の上の存在だな」「いや、高嶺の花だろ!」「しかも美人だしね」「ほら、あそこにいる」「やっぱ美しいわぁ〜」


〜出雲 空〜
そうもいかないのが現実。
あーあ。また、うるさくなってきた。
さて、昼休み終わる前にお弁当食べきらないと。
屋上開いてるかな?行ってみよっと。

ガチャ

空「あ、よかった」
スムーズに開く扉。その先には雲ひとつ無い青空。
ふと、周りを見渡すと先客に気がついた。

身体が大きくて、ふわふわの短髪の男子が、背を向けて座っていた。
クラスメイトではなさそうだ。
ヘッドホンをしているからこっちに気がついていないみたい。

なんとなく話しかけてくるタイプに見えなかったから、私は扉の側に腰を下ろしてお弁当を食べ始めた。
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