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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第9章 私のための無垢なドレス 2



そして今日も今日とて、フロイドは廊下でユウを待ち伏せた。
その間何人もの女子生徒が前を横切ったが、フロイドはまったくもって眼中になく、彼女たちが通り過ぎる度に騒ぐ男共の声が煩くて仕方なかった。

発情期かよ。

と、心の中で悪態をつくが、きっと彼だって好きな人がいなければ彼らと一緒に女子に歓声を上げていたに違いない。

暫く待っていれば、そこにユウがやってきた。彼女の腕にはグリムが抱かれている。
フロイドは、さも偶然通りかかりましたと言わんばかりに彼女に話しかけた。

「あれ、小エビちゃんじゃーん」

「あ、こんにちは。フロイド先輩」

その言葉だけでフロイドの顔はだらしなく緩む。

「小エビちゃん、アザラシちゃん抱えてどこ行くの?」

「トレイン先生の所に。……実は呼び出されちゃって……多分グリムが授業開始5分で居眠りしちゃったからだと思うんですけど……」

ユウは腕の中にいるグリムに視線を向ける。
グリムは「あれは誰だって眠くなるんだゾ!」とまったく反省していない。
ユウはそんなグリムに一つため息を溢すと、視線をフロイドに向けた。
上目使い。
必然的にそうなった。

あ、可愛い。

フロイドの脳味噌がそう言う。
そして彼は気づいた。今日、ユウがいつもより綺麗なことに。
何故だろう。何が違うんだろう。
疑問に思ったフロイドはしかしすぐに気づく。




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