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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第4章 マザーとグースとお嬢さん



「………最初は普通に喋ってたの。でもそしたら急に機嫌が悪くなって、何処かに行っちゃった」

ユウはスンッと鼻を鳴らす。

「もしかしたら私が気に触るようなこと言っちゃったのかもしれないけど、授業サボらされた挙句1人残されたことを考えると凄い腹が立っちゃって……こうして空を見上げて怒りを鎮めてた」

「フロイド先輩はマジで歩く地雷原だからなぁ。オレも何回か怒らせたことある」

フロイドは先程「生理2日目だから」とか言っていたが、本当にそうなんじゃないかとユウは思った。
あの情緒不安定な感じはまさしく生理中の女子だ。いや、それよりも酷いかもしれない。


「それより、今から昼休みだぞ。運動した後だから腹が減った。早く食べに行こう」

「うわっ、そうじゃん。確か今日麓のベーカリーが来る日じゃなかったけ?」

「ふなっ!早く行くんだゾ!」

「ほら、ユウも早く起きろ」

ユウはチラリと彼らを見る。
蹲み込んでいたエースは立ち上がり、2人と1匹はもうお昼ご飯のことで頭がいっぱいのようだ。
その様子に彼女はイラッとする。
生理中ではないがユウは女子。女子とは繊細な生き物なのである。
心配するなら最後までそれらしく振る舞え。
ユウはそう思った。

「…………………先に行ってて」

彼女は素っ気なくそう言う。
女兄弟がいる人なら彼女の今の声を聞いたら、「あ、ヤベッ」と焦るに違いない。
ケイトあたりが居たらすぐに彼女のご機嫌とりをしただろう。
そもそも彼が居たらユウは不機嫌にはなっていなかったかもしれない。

勿論エースやデュース、グリムは彼女が不機嫌になったことに気づかない。
2人と1匹は「じゃあ先に行ってるな」と言うと、食堂へと歩いて行ってしまった。





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