第15章 引き合うさびしさの引力
ユウは今度他の皆んなに視線を向ける。
「今まで、本当にありがとうございました!
皆さんのこと絶対に忘れません」
深く頭を下げるユウ。
その頭を上げた時、彼女はアズールとジェイドを見た。
「フロイド先輩にもよろしく伝えといてもらえますか?」
悲しそうに笑うユウに、アズールは頷く。
「えぇ、ご安心ください。
しっかりと伝えておきます」
アズールがそう言い終わったのを聞くと、学園長が闇の鏡に魔法をかけた。
すると真っ暗だった鏡の間は眩いばかりの光を放った。
ユウは鏡の中から懐かしい匂いがする気がした。
これを潜れば故郷に帰れる。
家族と会える。
「では、いいですね?」
ユウは啜り泣く声に背を向け、学園長の顔を見て頷く。
そして一歩、闇の鏡へと近づいた。
その時___________
バンッ!
と勢いよく扉が開く音。
その音に皆んなが視線を向けた。
そしてその扉から、息を切らし、額に汗を滲ませるフロイドが入ってきた。
ユウは闇の鏡に背を向けると、自分の方に向かって歩いてくるフロイドを見つめた。