第10章 ※雷が結ぶ夜※

眼を開けると、腰を律動させ始めた。奥深くまで突き入れれば、キリカの胎内も欲しがるように絡み付いてくる。

「キリカ・・・、キリカっ・・・」

何度も何度もキリカの名を呼びながら深々と貫く。必死にすがり付いてくるキリカが愛おしくて、もっと哭かせたくなってしまう。

「んっ・・・、巌勝様っ・・・、」

胎内のものは時に小刻みに、時に獰猛に、キリカを突き上げた。快楽も欲しいけれど、黒死牟ともっと肌を密着させたい。愛されているという証が欲しい。

甘い声で黒死牟を呼び、しがみつく両の腕に力を込めた。

「キリカ・・・」

黒死牟もキリカの名を呼ぶと、深く口付けた。しばし腰の動きを止め、身体の感触を味わう。

「・・・」

視線が重なりあう。二人とも、ありったけの愛おしさを込めて見つめ合った。言葉はいらない。

やがて、黒死牟が律動を再開させた。胎内の締め付けは千切れそうなほど、きつい。キリカの絶頂が近い事を示していた。

「あぁっ・・、み、巌勝さまぁっ・・・」

キリカも抽送に合わせて腰を振った。もっと奥まで欲しい。

身体が上下に揺さぶられると、キリカの乳房も弾むように揺れた。艶かしい情景に黒死牟は吸い寄せられるように手を伸ばした。桃色の突起ごと揉みしだく。

「んっ、あっ・・・、ああんっ・・」

胎内の最奥を、ぐぐっと激しく突かれた。途端、激流のように押し寄せた快楽にキリカは達してしまった。

「くっ・・・」

達したキリカの胎内の締め付けは凄まじく、黒死牟は済んでのところで堪えた。まだ達してしまうには惜しい。

「はぁっ、はぁっ・・・」

四肢をだらりと弛緩させているキリカが、とろりとした眼差しで黒死牟を見つめている。

「良かったか・・・」

「はい・・・。あっ、でも、巌勝様が・・・」

胎内に埋め込まれたものは力をみなぎらせている。自分だけ先に果ててしまって恥ずかしい。出来るなら二人で同時に果てたい。灼けるような迸りを胎内に受けたい。

「続けてください・・・」

「キリカ・・・」

恥ずかしそうなキリカの囁きに、黒死牟は欲が更に滾ってくるのを感じていた。