第7章 救出作戦
「あの後僕、役に立つかと思って腐った卵をもらったんだ」
トド松が篭に入ったたくさんの卵を見せる。
「どうせ食べられないから、ただでくれたんだ」
「それも使えそうだな」
「とにかく場所を聞いておかなきゃ!」
○○の言葉にカラ松は少し考えた。あのドレスを着れば○○も貴族に見られるだろう。出来れば他の男の目に入れたくはない。だがチビ太を助ける為だ。
「○○。あのドレスを着るんだ。俺と一緒に詳しい場所を聞きに行くぞ」
「ええ。私もそう思っていたの」
「…すまない」
「チビ太の命にはかえられないわ」
船長室に入り、ドレスに着替えた。出てきた○○の姿にみんなが感想を言う。
「ぅわあ!綺麗だね!」
「ふふーん。似合うだろう?トドまぁーつ。俺が選んだんだ」
「お姫様みたいだ!」
「んー?元々お姫様だぞ、チョロまぁーつ」
「カラ松が選んだの?マジか!普通のを選べるんだな!」
「どういう意味かな、おそまぁーつ!」
「…けっ!クソ松の女じゃなければもらったのに…!」
「○○はやらんぞ、いちまぁーつ!」
「背中のリボン抜いたら裸になるのかな?」
「抜いちゃ駄目だ、じゅうしまぁーつ!」
あわてて背中のリボンを結んでやるカラ松。
「さあ、参りましょうか。my lady」
カラ松が曲げた腕を少し上げ、○○がそこに手を入れる。
「船を頼んだぞ」
「「わかった」」
二人で街へ繰り出す。
「さて、誰に聞こうかな?」
「あの人はどう?」
見れば一人の貴族が酒に酔って上機嫌で歩いている。早速話しかけてみた。
「随分ご機嫌ですな。何かいいことでもありましたかな?」
すると貴族はにんまり笑って答えた。
「兄ちゃん、よく聞いてくれた!さっき聞いたんだがな、久しぶりに海賊が公開処刑されるってんでな、楽しみにしてんだ!ヒック!」
「おお、それは楽しみですな。私は旅行でこちらにやって来たのですが、ぜひそれを見てみたいものですな」
「んぁ?わっはっは!兄ちゃん、運がいい!ほら、あそこにレンガで出来たでっかい建物があるだろ?あそこでやるんだよ!」
確かにレンガ造りの大きな建物がある。
「ああ、あそこですか。ありがとうございます」
貴族に礼を言って去ろうとしたが、がっしり肩を掴まれた。