• テキストサイズ

捻れた世界で誰と踊る?【ツイステ】

第20章 酩酊ブーズ!【Leona】



「…へェ?」


レオナはパ、と手を離してやった。
彼女の白い手は噛み跡で赤くなってしまった。


「命乞いか?賢しい判断なことだ」


喉の奥からカラカラと笑った。


「俺に喰われたくなけりゃ、これからも俺に尽くすんだな。そうすれば可愛がってやる」


レオナの爪の先が、今度は監督生の首を軽く引っ掻いた。

ハハ、と笑う瞳はやはり、酒気を帯びていた。


「…。」
「あァそうだ、何時まで学園にいるか、ンなくだらねぇ心配してくるのはお前ぐらいのもんだ」


ンン、と伸びをする。


「俺はお前が卒業するまで居るんだよ」


と、言いつつ大きな大きな欠伸をした。

「え…?」


それってどういうこと、と尋ねたかったがレオナはそのままコロン…と動かなくなった。

監督生の顔の目の前で、レオナの肺が上下していた。


「…寝ちゃった」


赤くなった自分の手を眺めた。

言うだけ言って。
跡だけつけて。

寝てしまった。
狡いような、けれど寝顔を見ると可愛らしいような。


風邪を引いてしまってはいけないと思い、レオナのベッドから毛布を持って監督生は戻った。

そして子猫を包むような気持ちで、彼の上から掛けてあげた。


さっきの言葉は、何だったのだろう。
私が卒業するまでこの学園にいる、だなんて。

彼はかなり酔っていた。
そうでなければあんなことは言わない。

もし同じ言葉を素面で言ってくれたのなら、どんなに嬉しかったことか。

ぜんぶお酒のせいだなんて、にくいわね。
そう思った。


眠っているレオナの耳を2、3回撫でた。
起きている時なら牙をむき出しにして怒られるけれど。


「知ってる。私、レオナ先輩のことすきなのよ」


いつかその耳に届くように、言ってみせるわと少女は思った。

そうして、オンボロ寮へ帰ろうと思った時。



「なんだそれは」



なんとまあ、彼は起きていたらしかった。…
















END.
/ 984ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp