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捻れた世界で誰と踊る?【ツイステ】

第3章 粉砕ブレーキ!【Ruggie】



野次馬たちを追い払ってから、ラギーは箱の中身を確認する。
ドーナツだ。それも物凄く大量の。

ラギーは思い出したようにハッとした。

「…あっ!!!!も、もしかしてアンタ、これ全部で100個あるッスか?!」
「はい!」
「マジで?!本気にしてたんスか!ドーナツ100個作れって!!」
「?はい」
「冗談の、つもりだったのに…」

ラギーはパシッと顔を両手で覆って、

「あ〜〜〜もう〜〜」

と唸る。
もしかして迷惑だった?と監督生は不安になる。

やがて少しの間を置き、消えそうな声でラギーが言った。


「本当、好き……」
「え?」
「好きッス」
「え」
「だからぁ!」

ラギーは顔と、なんなら耳まで真っ赤だった。

だけど顔をしっかり上げて、彼女の顔を見た。
カッコ悪くてもいいから。


「アンタのそういうトコ、大好きッス。」
「す、す」
「好き。まさかホントにドーナツ100個作ってくれるなんて思ってなかったッス。嬉しいッスよ」


言った。

言っちまった。

キミが好きだと。

もう後には退けない、イヤ、退くもんか。
ハイエナは往生際が悪いんだ。

「作ったんスか?全部1人で」
「あ…えと、ひとりじゃありません。グリムと…ゴーストと…」

監督生は目に見えて焦っている。てか照れてる。さっきから目が合わねぇし。
この反応、オレいけるんじゃない?

「ふーん。オレが貰っちゃっていいんスか?」
「もちろんです、お礼なので!…あっでも、サバナクロー寮の皆さんで食べてください、全部はきついと思うので…」
「嫌ッス!」
「え…?」

ラギーは子供みたいに、監督生のドーナツが入った箱を抱きしめた。

「全部オレが食うんス!誰にもやらねぇ」

ハイエナは仲間にも分け前をやる生き物だけど、こればっかりはダメ。
オレの為に彼女が作ってくれたんスから!

監督生はそれを見てあはは、と笑った。


「で。話戻るッスけど。オレさっき超恥ずかしい台詞吐いたんスけど。返事くらいは聞かせてもらってもいいっしょ」
「へ…?」
「いつもの"なんのことか分からない"って顔はナシッスよ。キミだって気づいてたんでしょ」
「な、」
「ここじゃ難しいッスか?じゃあ外に行くッス。」
「きゃ、先輩、まって」


ラギーは監督生を引っ張って寮の外へ。

ここなら誰にも邪魔されないだろうから。
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